正直言って杏さんでは不安を感じてはいたのですが、さすが長い期間でそれなりの人物像になってくる。大阪へ来てからのキムラ緑子さんとのやり取りが、緑子さんのうまさとはいえ、ちょっとうざい感じの主人公が見事に専業主婦になってくれる。
料理をエピの流れの真ん中に据えての、戦前戦中戦後と盛り上がりのある人生の流れを、本来地味なはずの主婦業という設定をうまくドラマにしているのかな。
2.EX「時は立ちどまらない」
東日本大震災を真正面から暑かった山田太一作品なのだけど、途中まではさすがの話だと思うのですが、あの主人公の子供時代のエピの振りと結論はこの2家族の関係のある意味種明かしなので、ここらの話はよくあるドラマっぽく、震災のあったあの地域でなくてもという気持ちになってしまう。ちょっと微妙な感じも。
まあ重さばかりでもなんだか・・ということで、しょうがないのか・・・。
3.NHK「東京が戦場になった日」
太平洋戦争の空襲のあった日にも消防は動いていたのか・・。戦争エピとして新しい切り口、出来はいいのでは。
4.TBS「リーダース」
なにか終わりごろのあたりは組合が悪役のようにされているのが・・モデルがはっきりしている企業ドラマだけに経営者よりしか描けないということかな・・この某自動車会社はこの後発展を遂げるんだけど、辞めた従業員は呼び戻したんだろうか。
この主人公が基本的に技術屋なんで、日本の自動車産業の初めを作ったことでは功績は充分だろう、そういう意味で評価されて良い。ただ戦後の景気の激変やらあのころの労働争議の厳しさを乗り切るには経営者としてはナイーブすぎたのかな。
5.EX「三億円事件」
松本清張の大胆な推理が抜群に面白いのだが、一時は容疑者と目された暴走族の少年を犯人と断定しての推理、そしてその少年の自殺に係る事件と。いいのかと感じさせる大胆なミステリーの流れ。
演出の流れが良いのか実際のモデルとされる事件の重さなのか、松本清張のミステリーの技巧に傾き人間描写が浅いのかなという感じはここには全く見られない。
結局現実の事件のごとく、未解決のままで終わる。まああっさりした終わり方なのだがやはりこれで終わらせるしかないのかな。なかなかな人間ドラマとミステリー。
その他
CX「福屋警部補の挨拶」
あっさりした各回の終わり方は、少し微妙さも感じるのだが、まあいいんじゃないか。
演出のせいか主人公が多少面白味のない人物になってしまった気がする。
ただ室井滋さんが出演の回は舞台劇風で面白かった。
NHK「希望の花」
渡辺美佐子、藤田朋子と懐かしの女優さん。さらっとしたエピで、結末もよくある流れだけど、素直な感じ、好感が持てます。
NHKBS「下町ボブスレー」
実話はニュースで見ました。脚本はオリジナルだそうで、恋愛エピを入れてのボブスレー作りの話がかなり緩めの話になっているような気がするのです。
でも、日本ではマイナーなスポーツになってしまっているボブスレーの競技用そりを下町の町工場が力を合わせて作るといういい話を紹介するだけでもいいのかな。