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龍馬伝

なるほど。福田さんが目指した龍馬像と言うのはこういうものか。

弥太郎との長いシーン。そして慎太郎との新政府への考え方と自分の今後のこと、龍馬が自分の考えを披歴する。うまい、わかりやすい。

まあ亡くなるシーンはあの話の続き・・・緊迫シーンなのにどうもこういう作りというのは・・・ちょっと引き延ばしすぎかと思いますが、福田さんはたぶんこう作りたいんでしょう。

龍馬暗殺後は、唯一の後日談、お龍さんの桂浜でのシーン、龍馬死後一時期龍馬の家族に身を寄せた実話を使っていると思われます。他の龍馬にかかわりのあった登場人物の反応も描いてほしかった思いもあるのですが・・

福田さんの作り、おそらくは史実を離れ龍馬の生き方をより強烈にドラマとして訴えたかったんでしょう。それはそれで成功したのではと思います。

逆にいえば史実よりはとてもドラマっぽい。でもそこのあたりをうまく史実を絡めてドラマ部分が浮き出ないよう作っていると思える。

まあ個人的にはもう少し泥臭くても。たとえば龍馬の死でも、史実には即死に近いようなことらしく、あっさり終わる方法もあったのですが・・・(過去の大河ドラマ「竜馬が行く」ではそうなっていたと思います)。

もちろん現場にいて見ているわけではない、何が事実かは分からない、どう作っても(限界はありますが)よい。説得力があればと考えてもいいのかもしれない。これは微妙です。

大河ドラマでは、史実に忠実な作りと、ドラマとして盛り上げた作り(歴史を離れた創作ということ)とに別れるような気がします。

現在はどうか知りませんが。私どもの学生時代、歴史の先生は大河ドラマでも出ているだろう。・・・というような感じで授業の時に話すわけで、結局、大河ドラマは歴史の教科書にされている・・・。公共放送という意味合いもあり、ドラマ作りに歴史に忠実にということが縛りになっているのかもしれません。

個人的には大河ドラマの出来の良さは、このある意味制約の中で歴史上の人物をどうドラマに描いていくこと、フィクションに偏ってもそれがいい感じで出来ていることによるのではないでしょうか。

この龍馬伝は、弥太郎をキーマンにしているなど、多少引っかかることもありますが、出来はいいのでは。少なくても篤姫よりは良いと思います。

りょうまでん