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TVドラマ感想他

早春スケッチブック

日本映画専門チャンネルで、1983年にフジテレビにて放映された連続ドラマを再放送。

望月和彦は受験を控えた高校三年生なのだがある日見知らぬ女が現れ和彦を無理やり古い大きい邸宅に住むある中年の男の素へ連れていく。

和彦の家庭は子連れ同士の再婚家族で、母親とは地のつながりはあるのだが、父親と妹とは他人だった。

不機嫌で傲岸な男と話していくうちに、和彦はこの男は自分の本当の父親ではないかと直感する・・・そして家族に内緒で何度も会いに行くようになる・・そしてついにその男の存在が家族にわかってしまい・・・。

名作の評判の高い山田太一氏の作品をやっと鑑賞。中盤以降いささか強引とも思えるほど、和彦の本当の父親、竜彦の説得力あふれた理屈が横溢し、終盤への長い振りとなる。そしてある意味感動的な終末。ドラマらしいともいえる幸福感に満たされる。

個人的には河原崎長一郎の和彦の養父の振舞が劇的に変わるのが何とも言えないなー。

この人の普通さが見事にはまっているともいえる、そして山崎努の異様さがらしい。

子供たちがやや理屈っぽくなるのはこれはしょうがないと思う、しかし連ドラなのにここまで舞台劇っぽくするなんて、しかも矛盾が少なくと思う。まことに快作。正直いささかラストのドラマしい盛り上げも、納得できるような感じ、凄い・・。